再生医療セクターを丸わかりしよう!

血液幹細胞のイメージ画像

「再生医療」っていう言葉。

株トレードをしている人であれば、聞いたことがない人はいないはず。

 

「くっそ赤字企業なのに時価総額高すぎ!!」とか、

「倒産寸前の企業なのに、良く投資できるな。」など、

 

きっと、ネガティブなイメージを持っている人が多いんでしょうね。。。

そのイメージ、その通りなんですが、株の世界は”先を読んで”投資をしていくもの。

なので、「再生医療」の現在と未来とを知ることでセクター・銘柄分析につなげて、再生医療分野への投資に魅力を感じていただければ嬉しいです。

 

記事の一番最後に僕(まっち)の再生医療関連の注目銘柄を書いてますが、決して投資を推奨するものではないので、その点は悪しからず。

再生医療の現在

まず、本格的にバイオや再生医療について勉強・研究した方以外は、恐らくおぼろげな知識の人が多いんだろうと思います。

ということで、まずは再生医療って何?を簡単に。

再生医療とは、ダメになった組織・臓器を再生する医療。

まんまです笑。

 

そうなんです。「トカゲのしっぽ」「ナメック星人」の世界。ホント夢の医療なんですね。

とは言え、トカゲやピッコロのようなスピードにはなりませんが。。。

 

組織・臓器というのは一つ一つの細胞からできていて、その細胞が時間をかけて分裂して作られていきます。

再生医療というのは、まずはその細胞を作る。というのがスタート。

その細胞を作る為の卵(幹細胞)は3種類です。

  1. 体性幹細胞:自分の体の中にある細胞
  2. ES細胞:受精卵の初期胚の中にある細胞(いずれ赤ちゃんになる細胞なので、倫理的に問題とされています。)
  3. iPS細胞:人工幹細胞

 

「じゃぁ体性幹細胞でいいじゃん!」と思いますが、実は体性幹細胞は分化(細胞から組織・臓器への変化)能が低く、増殖能も限定的。

なので、医療への適応も限定的になってしまうという欠点があります。

 

そこで、研究開発されているのが、「万能幹細胞」と言われるiPS細胞、ES細胞です。

何が”万能”なのかと言えば、分化能・増殖能。これらの万能幹細胞が臨床で利用できるようになると、適応幅がグーンとアップ。

再生医療がより現実的なものへと近づくんです。

 

現在の再生医療製品と再生医療関連企業のベンチマーク

2015年の市場規模は、約1,200億円と推計。米国が約70%。

株式会社シード・プランニングの再生・細胞医療研究の現状とビジネスの展望 -調査結果-による世界の再生医療市場の推計です。

 

では、現在の再生医療製品とその企業評価について。

2018年5月現在、日本での再生医療製品は4つ。もちろんすべて体性幹細胞の製品です。

製品名販売会社適応由来幹細胞
ジェイスジャパン・ティッシュ・エンジニアリング重症熱傷・先天性巨大色素性母斑自家由来
ジャックジャパン・ティッシュ・エンジニアリング膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎自家由来
テムセルHS注JCRファーマ造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病他家由来
ハートシートテルモ虚血性心疾患による重症心不全自家由来

これらの再生医療製品は、他に治療法がない重篤な疾患に、高度な知識と経験のある限定された専門医が特定の病院で手術の際に使用する製品です。

 

これが現在の再生医療のマーケット。

では、再生医療製品を販売することがメイン事業となっている株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングをベンチマークとして見てみます。

7774 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(富士フィルムの連結子会社)

時価総額 58,966百万円(2018年5月19日現在)

業績推移
ジャパンティッシュエンジニアリングの業績の画像

週足チャート
ジャパンティッシュエンジニアリングのチャートの画像

 

株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングは再生医療製品事業が全売り上げの96%を占めるバイオベンチャー。

再生医療ベンチャーとしての評価を知るには、一番適した会社だと思います。

 

製品の販売が軌道に乗り業績も黒字です。

適応患者が少ないため業績的にはこれぐらいですが、企業の評価(時価総額 58,966百万円)としては”先”を見越した評価になっていることが分かってもらえるんじゃないかと。。。

将来の再生医療マーケット

まず、現在に至るまでの再生医療マーケットに影響を与えた大きな動きを挙げます。



という流れのなかで、「再生医療」は1歩ずつ着実に前へ進んでいるという事です。

では、今後の再生医療マーケットはどう予測されているのかを見てみましょう。

ここで使用している画像は全て「再生医療の実用化・産業化に関する研究会」の最終報告書(経済産業省)より引用しています。

もちろん、再生医療は世界が相手なので、世界のマーケットです。

2030年 12兆円

2050年 38兆円

が試算されています。この数字、なかなか他のセクターでは見られないくらい大きな数字です。

次に再生医療周辺産業のマーケット予測。

再生医療周辺産業のマーケット

こちらは

2030年 5.2兆円

2050年 15兆円

という予測になっています。

再生医療周辺産業の補足

再生医療周辺産業とは、下の図の青紫色で書かれている分野です。

再生医療周辺産業の図

  1. 培地
  2. 試薬等
  3. 培地容器
  4. インキュベータ
  5. 自動培養装置
  6. フローサイトメーター
  7. 画像解析装置

再生医療関連銘柄

「医療が変わる」ことで「必要とされる企業」も変わってくる。これは当たり前の流れですよね。

多くの方にとって、ガソリン車がEV車に変わることはイメージしやすいので、必要とされる会社が変わることも理解しやすい。

 

でも医療っていうのは目に見えないことが多く、その将来性を読むことも難しいです。

銘柄に関しては大きな先行き期待があるからこそ、しっかりと研究をしたうえで選別してください。

 

最後にズラーっと関連銘柄を並べようと思ったんですが、羅列だけなら”株探”等で調べればすぐ出てくるのでやめました。

僕(まっち)が注目している銘柄のみ書いていきます。

多くは時価総額に対して現実的に爆発的上昇余地のある銘柄だと思っている銘柄達です。もちろん、株価暴落リスクもありますので。。。

再生医療関連

2191 テラ

2370 メディネット

4527 ロート製薬

4552 JCRファーマ

4592 サンバイオ

4594 ブライトパスバイオ

4901 富士フイルムHD

4974 タカラバイオ

7774 ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング

7776 セルシード

7777 3Dマトリックス

7917 藤森工業

再生医療周辺産業

2372 アイロムグループ

2395 新日本科学

3446 ジェイテックコーポ

4978 リプロセル

6340 澁谷工業

9749 富士ソフト

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