株トレードをしていると良く耳にする出来高。
出来高と言えば皆さんご存知の通り”売買が成立した株数”ですが、今回はこの出来高にフォーカスしてチャートが理解できるようにしていきたいと思います。
ブログを書き始めて早々なので、やっぱり株トレードのテクニックの中でも重要なところを!と考えてのチョイスです。
本来で言えば、チャートを読み解くのに重要なのは出来高分析なので「ローソク足の値幅+出来高(ヒストグラム)」なんでしょうが。。。
僕(まっち)的には「出来高自体が持つ意味」を知っていないと出来高分析も役に立たないと考えてるので、基本中の基本として”出来高の基本・ルール”だけを書いていきます。
チャートを読む、銘柄を評価するには必須のことなので何度も繰り返し覚えて、実践で経験を積んでいきたいですね!
出来高のコト
まずは「出来高で何が分かるのか?」について。
先にも書きましたが、外面的な出来高の意味は”売買が成立した株数”です。
これはその通りなんですが、株の売買は売り手と買い手が存在して取引が成立するのもなので、これを考慮すると出来高は
「銘柄の人気度・注目度」
を表していることになります。
出来高が多ければ人気がある・注目されている、ということに。
日本の上場会社の数は3,616社(2018年4月末)。東証一部は2,085社。東証一部の値付き率が5%弱なので、毎日100社くらいの銘柄が売買無し。
それに引きかえ、個人トレーダーが管理している銘柄は出来高ゼロなんてことはないはずですよね。
中長期的に見れば個人トレーダーもポピュラーな銘柄(1日の商い2億円以上と言われてます。)を抑えているんですが、短期の時間軸を見るとどうでしょう。。。
この1分で、
この5分で、
この1時間で、
今日の人気銘柄は、
今週の人気銘柄は、
今月の人気銘柄は。
出来高に対して「買い方>売り方」の場合、当然この時間軸では買い方の勝利です。
では、これらの時間軸が自分のトレードスタイルに合っているかってこと、ですね。
とまぁ、大切なことなので出来高の捉え方について長めに書いちゃいましたが、ここから基本・ルールをサクッとまとめていきます。
出来高の基本
まずは超基本から。
株価 | 出来高 | 資金 | 相場 | |
1 | 上昇 | 大 | 大きく流入 | 強い |
2 | 上昇 | 小 | 流入が頭打ち | 弱含み |
3 | 下落 | 大 | 大きく流出 | 弱い |
4 | 下落 | 小 | 流出に歯止め | 強含み |
この表のとおりなんですが、実際にチャートと照らし合わせてみても教科書通りにいかないことの方が多いです。
ここで大切なのは、
「株価と出来高を見て、”資金の向き”と”強弱”を確認」
するという事。
トレンド、時間軸を判断する材料になります。
この基本を常に持って、その他の出来高ルールと組合わせることで初めて役に立つ。といったところです。
では、ここから出来高に関する法則やルールです。
出来高の格言
1.出来高は株価に先行する
出来高がキーワードになってて一番有名な言葉だと思うので、しっかりと。
まずは3267 フィルカンパニーのチャート。
これはまさしく「出来高は株価に先行する」パターン。
②の最大出来高が①の上場来最大の出来高を塗り替えて、上昇トレンドを決定づけたチャートです。
このパターンは、チャートを見てわかる通り初動の段階で最大出来高をつけて、徐々に出来高が減少。
材料などで”ステージが変わった”時に出来やすいチャートです。。。←めちゃくちゃ重要。
ただし、時間軸はよく見てくださいね。
初動での出来高急騰は「株主(ホルダー)の入れ替え」を意味し、相場がリセットされて”手垢”の無い新鮮な相場に戻ります。
では、「出来高が株価に先行しない」パターンも。
6553 ソウルドアウトのチャートです。
見ての通り、出来高が維持されたまま株価は底値から約3倍まで上昇。
フィルカンパニーとソウルドアウトとで何がどう違うのか。
これは”出来高、時間軸、値幅”を基軸に考えていただければ理解できると思います。。。
※最後にソウルドアウトチャートの簡単な説明をしてます。
2.閑散に売りなし
これも有名で重要。
僕みたいに常にIPOを見ている人には特に重要。
大きな値動きのあと、徐々に出来高が細って安値圏に突入、値動きが無くなって”無風状態”になります。
言葉は悪いですが、”見向きもされない”状況です。
これはどの銘柄でも起こり得ること(上のフィルカンパニー、ソウルドアウトでも起こってます)。
この”無風状態”は売るに売れない、買うに買えないので、時間が長引くと嫌気売りが出てくるのが通常です。
それに仕掛け売りが加わると、下落相場に入ったかのように見えるが、実は適正株価を下回る「オーバーシュート」の状態であることが多い。
本来の需給バランスは”無風状態”でとれていたはず。
なので、閑散から下げたとしても多くの場合はすぐに値は戻り、流動性が良くなったことで逆に高値を目指す場合も多い。
この時、出来高の大きい大陽線が出現する場合が多いですね。
という事で「閑散に売り無し」。
3.大保合(おおもちあ)いは大相場
4.保合(もちあ)い放れにつけ
3.4は「閑散に売り無し」の高値圏バージョン。
高値を付けた後でもちあい(無風状態)が発生したときの話。
ただし、保合いから下落に入った場合は「閑散に売り無し」とは違うので注意。
底値圏とは違い、サポートラインまで下落する場合がほとんど。
サポートラインの位置には常に注意が必要ということです。
では、2351 ASJのチャートを見てみましょう。
10月から12月にかけてのレンジ(保合い)は下放れし、初動での初寄りである1000円ラインまで押しました。
およそ50%の押しです。
こんなこともあるので、”保合いは放れにつけ”って重要な言葉ですよね。。。
ではここで、”大保合いは大相場”を、出来高と時間軸と値幅で考えてみます。
チャートは伝説の大相場、6176 ブランジスタ。
まさしく「大保合いの大相場」です。※出来高(ヒストグラム)の推移もちゃんと確認!
初動で上場来出来高を更新して、保合い(レンジ相場)は約4か月。
でも、2016年3月のレンジ上抜けまでのチャートを見ると、
レンジは1150円~2100円であって、決して無風状態ではないんですよね。
初動で500円から2000円まで4倍。2000円からの半値押し。
でも、高値圏の大保合いだったことは明らか。
ブランジスタのような相場はめったにあるものじゃないですが、一つの目安として覚えておいていいんじゃないかと思います。
出来高のルール
ここからは出来高が「銘柄の人気度・注目度」であることを前提に、売買の需給エネルギーをイメージしてみてください。
あくまでもここに書いてあるのは一般的なコトなので、そのほかにもルールはたくさんあります。
5.出来高を伴った値動きというのは「本物」である可能性が高い。
6.出来高が減少してきた時は目先の人気度・注目度の低下。目先の株価下落が予想される。
7.出来高減少から増加傾向を見せてきたら目先反転を期待。
8.出来高移動平均線、5MAと25MAのゴールデンクロスは先高期待。
9.急騰した高値圏での出来高急減は、目先天井の可能性が高い。
10.長期小商いから突然の大商い出現は新たな相場のスタート。
などなど、こういったものはいくらでもあるので、需給を考えて自分のルールを作ってみたらいかがでしょう。。。
最後に、有名な法則。
11.上昇トレンドで株価が高値を更新しても、出来高が前回高値の水準を超えられないと株価は反落する
これも出来高の話でよく出てくる言葉ですが、今日の内容でもわかる通りそうとも限らないですよね。
出来高を考える上で忘れてはいけないのは、
「浮動株の固定化」
です。
長期保有者が多くなればなるほど、株の流動性はなくなって”出来高は減少”します。
なので、ソウルドアウトのような業績先高感の強い銘柄は「出来高の先細り」は当然なんですよね。
ソウルドアウトのチャートは超絶材料で急騰したわけでなく、決算での業績好調と先高期待でキレイなトレンドフォロー型チャートになっています。
材料株のように、短期筋を含めた”短期資金”で作られた相場ではない、というのが出来高先細りの答えでした。
ということで、出来高についてのうんちくは終了です。
いつもいつも長文を読んでいただいてありがとうございます!
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