出来高分析っていう言葉は”造語”なのでハッキリとした定義はないのですが、僕(まっち)なりの解釈で言うと、
「出来高を利用した銘柄分析」。
恐らくこの記事をお読みの皆さんもそう考えているんじゃないかと思います。っていうよりそれしかないですよね笑。
そして、”出来高をどう利用するか”という事については、
- チャートから読み解く
- テクニカル指標から読み解く
と、2種類あります。
今回は”チャートから読み解く出来高分析”。
相場で使える出来高の基本と11のルールと相場で使えるローソク足の基本と2つのルールで説明した通り、
チャートの出来高分析は、”ローソク足”と”出来高”を活用します。
上記2つの記事の応用になるので、出来高・ローソク足は意味することを踏まえて読んでいただけたらと思います。
最後、簡単に実践のチャート解説をしていますのでお楽しみに。
※2018年5月23日に公開した記事ですが、2018年5月24日に出来高分析の結果を最後尾部に追加しました。
出来高分析
まずはこの画像を。
これは”相場で使えるローソク足の基本と2つのルール”で解説しましたが、出来高分析の基本中の基本(すべてがこの通りという事はありません)。
例えば、「出来高が多く、長いローソク足はモメンタム(トレンドの勢い)が強い」というコト、ですね。
でも、出来高分析は1本のローソク足を見るのではなく”連続したローソク足・出来高の流れを見て”、
”相対的にローソク足・出来高を比較して”、
「トレンドは強いのか弱いのか」
「トレンドが転換したのか」
「レンジ相場か」
を見ます。
結局、何を目的に出来高分析をするのか、というと、
ローソク足の値幅と出来高の大小の関係から売買の強さ(需給)を読み取る
ということ。
チャートは相場参加者が売買を行った結果を表しているものなので、需給がどちらに傾いているかを知ることが出来高分析の目的です。
で、最終的にはローソク足の動きと出来高のパターンを見つけて、自分なりの得意なチャートパターンが一つでも見つかればそれでOK。
たった一つのパターンかもしれないですが、そのパターンだけにトレードを絞れば「勝率アップ間違いなし」という事です。
出来高分析の基本ルール
まずはマーケットサイクルに従って、4エリアのルール。
1.底値圏のレンジ(横ばい)のチャートはローソク足は短く、出来高が少ない
2.上昇トレンドのチャートは陽線の数が多い。ローソク足は陰線よりも陽線が長い。出来高は陰線よりも陽線の方が大きい。
3.天井圏のレンジ(横ばい)のチャートは底値圏と比較すると、レンジ期間が短く、ローソク足の長さは長く、出来高は多い。
4.下降トレンドのチャートは陰線の数が多い。ローソク足は陽線よりも陰線がながい。出来高は陽線よりも陰線の方が大きい。
まとめるとこんな感じ。
ローソク足の数 | ローソク足の長さ | 出来高 | |
---|---|---|---|
レンジ(横ばい) | 底>天井 | 底<天井 | 底<天井 |
上昇トレンド | 陽線>陰線 | 陽線>陰線 | 陽線>陰線 |
下降トレンド | 陽線<陰線 | 陽線<陰線 | 陽線<陰線 |
これはあくまでも基本の話で、俗にいう「騙し(フェイク)」の足もザラにあります。
ただ、相場の時間軸を長くすることで出来高分析の精度は増すので、チャートは日足~月足までチェックすることをお薦めします!
ザラ場で使える12のパターン
基本は上に書いてあるルールに従って需給の強弱を読んでいけばいいんですが、書ける範囲内で(重要な)個別パターンを書いていこうと思います。
文章中、ローソク足に関する箇所は赤色、出来高に関する箇所は青色の文字です。
※あくまでも確率の問題なので”の場合が多い”をつけてください。
1.突然の出来高急騰、特大出来高の大陽線は大相場の初動
2.天井圏の出来高を伴った窓開け大陰線でのサポートライン割れは下落相場の初動
3.セリングクライマックスは(最後の下げで)陰線が長くなりながら下降し、出来高・値幅最大で売り出尽くし
4.バイイングクライマックスは(大商いの大陽線でつけた)直近高値を更新後に長い上髭(出来高は最大にならない)
5.ブレイク(サポート・レジスタンス・トレンドライン等の節目)には出来高増加が伴う(なければ騙し)
6.ブレイクチャートによくみられるのは、大商いのギャップアップ(ダウン)や大陽線(大陰線)
7.トレンド継続中は”出来高を伴って高値・底値を切り上げ(下げ)、調整する”を繰り返す
8.トレンド継続中の値幅・出来高の小さいローソク足は迷い足(騙しにつながる)
9.大底圏(天井圏)の大陽線(大陰線)で出来高が相対的に少ない場合は騙し
10.天井圏で出来高の大きい陽線のコマ足は弱含み
11.底値圏で出来高の大きい陰線のコマ足は強含み
12.天井圏、底値圏の出来高急変(増加・減少)の相対的に値幅の少ないローソク足は反転サイン
ずらっと並べましたが、これって出来高とローソク足の関係の”経験則”であって別に決まったルールもないし、これだけでトレードが上手くいくわけでもありません。
実際には読みが外れることも良くあるし、僕はその他テクニカル指標やラインと組合わせて活用しているので”出来高だけ”で銘柄分析するってことはほぼないです。
ただ、需給・センチメントを読み取ることが出来るのはチャートだけ。
必要不可欠な分析手法だというのは確かです!
では最後に実際のチャートを使って、出来高分析の考え方としてご参考に。。。
4381 ビープラッツの出来高分析
直近IPOはチャートとしては分かりやすいというのと、手垢がついていないという理由で、素直な値動きをしている4381 ビープラッツのチャートで分析をしていきます。
決して銘柄を推奨しているわけではありませんので。。。
もう一つ前置き。
これは考え方の一例なので正解不正解ではなく、自分なりの”分析→チャート予測”をして、結果として予測が合っていたのか間違っていたのかを検証する。というサイクルです。
では、チャートです。
出来高分析に必要な情報以外は極力減らして書いています。。。
下にチャートに記載されている数字や文字ごとにチャート分析のプロセスを記載していきます。
- ①上場初値
- ②大幅GUから上引けをつけて出来高増の大陰線。下降トレンド入り。
- ③~⑧まで下降トレンド、連続陰線。この間は上値、下値共に切り下げ。出来高の大きな増減はなし。
- ⑨で長い下髭をつけて陽線引け。前日の陰線の出来高を超えてトレンド転換。
(ここまでマークダウン) - ⑩、⑪は上値、下値共に切り上げ。上昇トレンド。
- ⑫で出来高急減。上値、下値切り下げ。トレンド転換懸念。
- ⑬、⑭で出来高を増加させて上値、下値切り上げ。ただし、⑪の出来高を超えられずCのトレンドラインを下抜けでトレンド転換。
- ⑮~㉔は出来高、値幅共に小さい底練り期間。
(ここまでディストリビューション) - ㉕は好決算で動意、売りものがほとんどない寄らずのS高。
- ㉖、㉗は出来高は陽線>陰線。酒田五法の「上放れタスキ」に当てはまるため、上昇トレンド継続。※上放れタスキはその後(1-2日)押し目を作って上昇することが多い。
- ㉘で長い下髭の陽線。出来高は前日の陰線を上回ったため「押し目」と判断。
ちなみに、ⓐ価格帯別出来高は6600-6700円が最多。この場合、価格帯別出来高がサポートラインとして機能したと考えた。 - ㉙、㉚は上値、下値切り上げの上昇トレンド。㉚の陽線が上昇トレンドの足の中で最大のローソク足。
(㉖~㉚まで全てのローソク足の出来高は陽線>陰線) - ㉛で直近の出来高最大の陰線。通常なら下降トレンド入りだが、出来高増大の理由は直近高値(@8140)の節目戦。売りをこなしながら値幅の小さい陰線のため、様子見。
- ㉜で出来高急減のコマ足。Bのトレンドラインで反転した下髭付き。強含み。
という感じで、簡単に出来高を主体としたチャート分析の考え方を書いてみました。
あくまでも僕の見方なので、クレームは無しでお願いします笑。
では肝心のチャート予測。
通常は2-3パターンの予測をして対応していきます。
今回のパターンはあるあるなので、簡単です!!
トレンドラインA又はBをブレイクしてトレンド形成。
上でも下でもブレイクの足なので”長めのローソク足”。
※もう一つは横ばい。出来高少のコマ。
とまぁ、相場巧者の方が見たら怒られちゃいそうな予測です。はい。。。
ではでは可能性で言ったら、「7:3で上抜け」と見ています。
理由は、
まず、チャート形状は酒田五法の”二つ星”でトレンド継続形状。
㉛で節目売りを1回吸収している、㉜の出来高の少なさから”売り物出尽くし”の可能性が高い。
という事です。
今回は出来高分析ということでテクニカル分析が抜けていますが、それなりのチャート予測になっているんじゃないかと思います。
でも。。。
「地合いには勝てない」
コレ大事です 笑。
ではでは、皆さんも楽しく出来高分析をしてみてください!
長文をお読みいただいてありがとうございました!!
ー追記ー
4381 ビープラッツのチャート予測に対して結果を追記します。
- 今日(8月24日)の前場で窓を空けてレジスタンスラインBを上抜け(ブレイク)
- 引けは実体部分の大きい陽線
- 結果としてはBをブレイクして大きめの陽線(7割予想)、という事で予想的中
- ただし、窓を空けるほど強い動きをするのは想定外
- 出来高も決算動意以降の最大出来高、②の陰線の出来高を超えてトレンド継続
- 今後のレジスタンスはA’、@9480、@10110
- サポートはA、@8560、@8140
感想)今日のGUでのブレイク、高値付近の引け方を見るとかなり強い印象ですね。
明日はレンジの狭い難しい日。早々にA’をブレイクしてくれたら出来高の真空地帯への突入なので安心できるんですが。。。
ただ、相場は何があるのか分からないので安心はしてません(キリッ)。
ツイッターを拝見させていただいて、こちらにたどり着きました。
具体的に、テクニカルや需給 分析など
どこで勉強されたんですか?
スクールとか、勉強会とかですか?
トランプ大統領誕生前あたりから、始めました。
なんにも考えなくてもある程度利益でました。
いつか株価もどるだろう感覚でした。
2018年後半もその感覚でしたので、、、明日には明日には。
かなりやられてしまいました。
また、手をだすも損切り。
なんにも勉強してないことに気付きました。
本も読んでますが。。。なんだか。
具体的に、ここで徹底的に
勉強してこい!てとこありますでしょうか?
あきっちさん、コメントありがとうございます。
僕の場合は全部独学です。とにかく本を読みあさって実践で身に付けた感じですかね。
教科書の内容は実践向きではないので、とにかく基礎を覚えたらザラ場を研究です。
生きている相場と向かい合うのが一番だと思います。
まっさんはじめまして
最近まっちさんの存在を知り毎日楽しみにツイートとブログの記事を読ませて頂いております
チャート分析ができるようになりたくて苦戦しております。
アルベルトでcwhの存在を知りました(気づいたときは高すぎて怖くて買えませんでした)
テモナを今日購入しました
富士ソフトのチャートが似ているのですがcwhでしょうか?
ハンドルを作ってる最中で、そのあとにあがっていくのかなと思って見ているのですが・・・
まっちさんのご意見をうかがえたら嬉しいです
これからもツイートとブログ更新を楽しみにしています
宜しくお願い致します
ピピンさん コメントありがとうございます。
私見という事でお願いします!
富士ソフトはソーサーボトムの形状なので、CwHとは違うのかな。。。
ただ、富士ソフトは今まで空けた窓を閉めてきているので、窓を埋める可能性は大きいかと。
地合いが地合いなので、今は焦らずに押し目待ちでいいんじゃないでしょうか。。。
こちらこそ宜しくお願いします!