アルゴリズム高速取引の種類と対策

アルゴリズムの画像

「アルゴリズム高速取引」。

今となっては株トレード(特にデイトレ)の基本中の基本ですが、以前と比べると話題にのぼる機会が少なくなってしまいました。

かと言って、以前にも増して重要性が高まっているコトなので、ここらで”アルゴリズムの種類””アルゴリズム高速取引対策”についてまとめておこうかなって思います。

 

「アルゴの知識はデイトレーダーに必要なんじゃないの?」

って言う人も多いんじゃないかと思いますが、entry・exitをするためには全てのトレーダーに必須の知識ですよね。

何の為に?って言えば「大口投資家のトレンドに乗る」ため。

陽線・陰線の売り買い”にも書いた通り、「アルゴリズム高速取引」が全注文件数の7割を占めるわけなんでアルゴを知らずにトレードするのは、あまりにも無謀です。。。

 

で、どうやって活用するの?というのは下記の通り。

①まず「アルゴリズム高速取引」の動きに勘づく。
②これからどんな値動き(チャート)を想定しているのかを推測する。
③「アルゴリズム高速取引」のトレンドについていく。

ただ、必須と言われてもなかなか難しいのが現状なので、なるべく分かりやすく「アルゴリズム高速取引」について書いていこうなと思います。

アルゴリズム高速取引

ではでは最初に、「アルゴリズム高速取引」ってどんなモノか。

大和証券HPの金融・証券用語解説 [アルゴリズム高速取引]によると、

取引手順などを組み込んだプログラムに従って高速、高頻度で自動売買を繰り返す取引のこと。
「超高速取引」「高速高頻度取引」「高頻度取引」または、英語表記「High Frequency Trading」の略で「HFT」ともいいます。
明確な定義はありませんが、
(1)小口で大量に注文を出し、大量にキャンセルする
(2)取引所システムと同じ場所にサーバーを置くコロケーションサービスを利用し、執行時間を最短に利用する
などが特徴です。キャンセル前提の大量の注文を出すことで、他の投資家の執行コストを増やしているという批判がある一方、市場に流動性を供給し、株価変動を緩やかにするとメリットを指摘する意見があります。東京証券取引所では2010年の新株式取引システム「アローヘッド」稼働により高頻度取引が可能となりました。

と記載されています。

まぁ、難しいことが書いてありますが簡単に言うと、

”いろんな取引形態のプログラムを組み込んで、利益がもたらされるように自動で超高速売買をおこなうシステム”

です。

 

例えば、多分みなさんも経験があると思いますが、

「売り板に買いをぶつけたつもりが、売り枚数が変わらない!」

とか、

「売り板に買いをぶつけた瞬間に、売りをぶつけられた!」

とか。

 

これも「アルゴリズム高速取引」の一部。

「なんかおかしいな、、、?」って感じたら、アルゴリズム取引の場合がほとんどです。

ってことで、相場ではいろんな「アルゴリズム高速取引」がおこなわれています。

まずは下にアルゴの種類を上げていきますが、ここに書いてあるのが全てじゃないし、書かれてない方が多いと思ってください!

マーケットサイクル

ではここから具体的なアルゴリズム高速取引について書いていきます。

と、その前に相場局面を考えながらの方が分かりやすいと思うので、まずは相場シチュエーションを。

3758 アエリアのチャートで見てみます。

<マーケットサイクル>
1.アキュムレーション(Accumulation):株を買い集めている状況。基本的にレンジ相場。
2.マークアップ(Mark Up):株を買い上げている、買い上げさせている状況。買い手が売り手を上回っている。
3.ディストリビューション(Distribution):株を売り抜けている状況。基本的にレンジ相場。
4.マークダウン(Mark Down):株を売り下げている、売り下げさせている状況。売り手が買い手を上回っている。

相場はこのサイクルで形成されているので、アルゴリズム高速取引を使用している大口投資家は「1~4の時にどんな注文を入れたいのか?」ってことを想像しながら覚えるといいと思います。

アルゴリズム高速取引の種類

一般的に有名なもの、僕が勝手に命名したものを合わせて記載します。

TWAP注文

大きな注文を均等に分割して均等な時間に市場に発注するアルゴリズム注文。

例えば、「10000枚の買い注文を1000枚ずつ、10分おきに分割して売り板に当てていく。」というような感じ。

個別銘柄(特に小型)では、出来高が少ない銘柄はすぐに見つかってしまうのであまり見られない。

VWAP注文

大きな注文を出すときに、リスクを軽減させる目的で執行価格をVWAPに近づけるアルゴリズム注文。

注文の時間間隔または数量のどちらかが固定される。

あんまり値動きのないタイプ。

ステルス注文

瞬時に反対売買の注文を出すアルゴリズム注文。

「買い板に指値注文を出したら、瞬時に売り板に注文が並んだ。」

「売り板に並んでいるの1000株を買ったはずなのに、まだ板に並んでいる。」

というのがステルス注文。

これを行うことで「トレーダーのマインドが弱気になる。」ので、強いトレンドを作りたいときに見られる。

というかよく見られる。

アイスバーグ注文

大きな注文を出すときに、最適化された数量を分割注文するアルゴリズム注文。

「無限に1000円の売り注文が出てくるんだが、、、」

という状況。

僕の経験則としては板に厚い蓋を置いて、買わせる(売らせる)時に、それの受け皿となる注文がインパクトの薄い数量で永久に出続ける感じ。

『1000円に30000株の厚い板。999円から995円まで3000株前後。「こりゃ 上が重いな。。。」となって、100株単位の投げをことごとく受け止める』

ような感じ。

見せ板クロス注文

自分で出した厚い蓋の見せ板を、自分で執行する注文。

大きな買い(売り)が入ったと感じたトレーダーのマインドが強気になって、トレンド方向に注文が入る。

良くあるタイプ。

「株価は板の厚い方向に向かう。」

っていう話のタネ明かしですね。

※僕が勝手に命名したものです。

イベント注文

地震や経済指標など、ニュース速報などに反応するアルゴリズム注文。

「震度〇以上は売り。」っていうようなプログラミングがされている(らしい)。

見せ板アルゴリズム

値動きを活性化させて流動性を図るアルゴリズム。買い・売り板に継続的な見せ板の出し入れを繰り返す。

要は「板がチカチカ」することでトレーダーの注目を集めるという事。

その他

良く見るタイプのアルゴリズム高速取引は以上のような感じですが、

その他、空売り仕込み時のアルゴ、空売り踏み上げ時のアルゴ、トレンドフォローを作るアルゴ等々いろいろ存在するみたいです。

トレード対策

では、アルゴの存在を見つけたときに「どうするのか?」が大切なところ。

人間にはかなわないスピードで注文執行がされているので、アルゴに立ち向かうのは「負け戦」決定です。

なので、アルゴリズムのトレンドを読み取って、”流れに乗る”のが賢い対策なんじゃないかと思います。

 

重要なポイントは”トレンド”

アルゴリズム取引は、「さっきまで上値を抑えていたのに、もう上を追ってる!」というようにコロコロと向かう方向が変わります。

なので、”点”ではなく”線”で見ないとトレンドは分かりません。

 

では、どうするのかというと、

節目(サポート・レジスタンス・移動平均線・トレンドライン・VWAPなど)でのアルゴリズム高速取引を観察する

というのが一番トレンドを読みやすい方法。

反発したらドテン。

ブレイクしたらトレンド継続。

 

これを見るには慣れるしかないので、とにかくチャートと板をトコトンまで見続けることが重要ですね。

板変化のスピード、注文数量、出来高、値動きなどで判断する人がほとんどだと思います。

 

一つだけ注意点。

「スマホでは板を読めない」

というのが大きなネックになってきます。

なるべく性能の良いパソコンで早い板変化を見れる環境があるとベストです!

 

と、一通り説明してきましたが、文章ではなかなか伝わり辛いんじゃないかと思います。

僕も最初は何がなんだかわからなかったので笑。

とにかく生の相場で体感するのが一番!

僕も次なるアルゴの発見を求めて板に向き合おうと思います。

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コメント

    • MAIC
    • 2018年 5月 10日

    いつも丁寧な説明ありがとうございます。
    今年のVIXショックと呼ばれている2月(1月?)の暴落も、暴落レシオに反応したアルゴの影響もあるのでしょうか?
    素人なので根本的に間違っていたらすいませんww
    今後は板を注視してみて、アルゴリズムの動きを見つけたいと思います。
    これからもテクニカルやトレードのブログやつぶやきを参考にさせていただきます。

      • kabu-trade
      • 2018年 5月 10日

      いつも読んでいただいてありがとうございます!
      2月の暴落は1月下旬からの下落基調に”先物主導の売り仕掛け”だと思ってます(先物の需給が過熱していたので)。
      完全に私見ですが。。。

      これからもよろしくお願いします(^^)

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